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7日間で突然頭がよくなる本(3日目)

「7日間で突然頭がよくなる本」の1章(1日分)ずつ読んで、ブログにアップしていく試み3日目。

7日間で突然頭がよくなる本 (PHP文庫)

7日間で突然頭がよくなる本 (PHP文庫)

3日目は「哲学の論理パターンを使いこなす」です。

3日目:哲学の論理パターンを使いこなす

3日目は2日目に必須の10個としてあげられた「哲学概念」が詳しく解説されています。 3日目の目標はこの必須の10個の哲学概念を単に知っているという域を超えて、使えるようになることだということです。 実際に著者も物事の本質をつかむときに、この10個を活用しているようです。

それでは一つひとつ見ていきましょう。

①カテゴリー:種類ごとに階層的グループに分ける

本書ではアリストテレスの「カテゴリー論」とカントの「認識論的カテゴリー」が紹介されています。 アリストテレスの「カテゴリー論」は10項目、カントの「認識論的カテゴリー」は4項目とそれに係わる各々3つのサブカテゴリーに分けられるとしています。 著者は、どちらかのカテゴリーをそのまま使えるようになれというわけではなく、概念を参考にして、頭の中に自分なりのモノサシを設定することができるかどうかだとしています。

車に関してならば、セダン、ミニバン、スポーツカー、四駆、軽自動車という種類に分けて、さらにその各々を細分かしていくのです。(中略)要は、車と聞いて、瞬時に頭の中にそういうカテゴリー表がパッと展開するかどうかです。(P76)

②主観と客観:主体と客体で区分する

主観と客観を考える前に、主体と客体という概念を考える必要があるようです。 まず、主体とは”自分”のこと。そして、客体とは、自分(主体)に認識されたものということです。 では、主観と客観とは何なのでしょう。 主観とは、自分(主体)が何かを認識していることだそうです。そして客観は、認識されている側から見た場合の表現とのことです。 本書では次のように例があげられています。

私が子犬を認識したとしましょう。この場合、子犬を認識している私が主体で、子犬を認識しているという事実が主観です。そして認識された子犬が客体で、私に認識されているという事実が客観なのです。(P80)

③時間と空間:時間軸と空間軸に位置づける

まず時間ですが、本書では物理的な時間概念と心理的な時間概念があるとしています。

物理的な時間とは

1キロメートル歩けば1キロメートル移動しているわけですが、同時に1キロメートル歩く前のスタート地点にいたときと1キロメートル歩いて到達した場所にいるときとでは時間が経過しているのです。その「量」が時間だというわけです。(P83)

時間を量として捉えることができるというわけですね。

それでは心理的な時間概念とは

中世の哲学者アウグスティヌスは、心理的時間論を展開しました。過去・現在・未来とは、各々記憶・注目・予期のことであるといいます。つまり、時間はこのようなかたちで心の中に存在していると主張するのです。(P84)

そして、時間が心の中に存在するということは、時間という概念は人によって異なるものだということだそうです。 確かに、過去が記憶だとすれば、私の記憶と他の人の記憶は異なるので、時間という概念が違うことになります。

つぎに、空間ですが、 本書では次のように書かれています。

空間とは、表象と表象の間の関係(人の認識した複数のものの位置関係)によって規定される、事物同士の相対的な秩序にすぎないというわけです。関係性としての空間概念とでもいいましょうか。(P89)

難しいですね。 理解するには私には少し時間が必要です。

他には、次のような例が載っています。

自分が理解するというだけでなく、他者と理解を共有するためには、たしかに共通の認識が必要です。「東京ドーム10個分の広さ」などと表現されることがありますが、東京ドームという空間の規模が共通の認識としてないと、この場合の共通理解は不可能です。(P90)

これは、なんとなくですが理解できました。

時間と空間、著者はどちらも物事を把握するためのモノサシだと述べています。

④イデア:物事の正体を見抜く

イデアとは、古代ギリシャの哲学者プラトンの哲学概念で、物事の理想像とのことです。

例えばバラにはバラのイデアがあり、円には円のイデアがあります。だからバラのつぼみをみただけで満開のバラを思い浮かべることができるのです。また、がたがたの円を見ただけで、きちんとした円を思い描くことができるのです。これは頭の中にバラや円のイデアが存在するからにほかなりません。(P91ー92)

ちょっと私には難しいです。 理想=イデアと理解して進んでいこうと思いますが、大事なことは、理想を考えるためには情報源を増やすことだそうです。 たしかにバラの理想像は満開のバラを見たことがなければ思い描くことすらできないですからね。

⑤運動として捉える:動いている途中として見る

ここで言われている運動とは、サッカーや野球のようなスポーツのことでもなければ、歩いたり、走ったり、ジャンプしたりといった動作のことでもありません。 普通に見ていたら変化のない物を運動しているとして捉えるということです。 例えば植物です。今、目の前にある植物に変化を感じることはできません。しかし、何日も観察していると、少しずつ枯れていく。この変化を運動として捉えるということのようです。

⑥弁証法:マイナス要素をプラスに転じる

弁証法とは

問題が生じたときに、それを克服して、さらに一段上のレベルに到達する思考方法を指します。(P98)

とのこと。

すごい思考方法ですね。ぜひマスターしたいものです。 まず、弁証法は「テーゼ→アンチテーゼ→ジンテーゼ」と表現されるそうです。 なんだか聞いたことのある単語です。 そして、次のように解説されています。

ある物事(テーゼ)に対して、それに矛盾する事柄、あるいは問題点が存在するような場合に(アンチテーゼ)、これらを取り込んで、矛盾や問題点を克服し、より完璧に近い発展した解決法(ジンテーゼ)を生み出すという方法です。(P98)

著者は、ある物事は何でも矛盾や問題点を抱えているとしています。正の側面があれば負の側面が必ずあると。そして、その矛盾や問題点といった負の要素を、肯定的にとらえ直すことにより新たな視点を作り出すことができるとしています。 そして大事なことは、そのマイナス要素を原動力として捉えプラスに転換することだとしています。マイナス要素(原動力)があるからこそ、よりよい答えジンテーゼを生み出すことが可能になる。それが弁証法という哲学概念のようです。

⑦差異として捉える(否定弁証法):差異を重視する

これは、⑥の弁証法を否定するもので、弁証法は矛盾や問題点をプラスに転換して一つにまとめる思考法であったのに対して、否定弁証法は、差異を差異のまま残しておくという思考法だそうです。

結局、まとめればいいのか、そのままでいいのかどちらなのかと考えてしまいますが、著者は次のように述べています。

頭がよい人は対象を考察する際、予め決めつけを行うことはしません。そうではなくて、そのもの自体の存在に着目して、その結果として一つにまとめたり、グループに分けたりするのです。だからこそ、まとめずにそのままにしておこうという結論にも至りうるのです。(P104)

要は決めつけてはいけいないということになるのでしょうか。

⑧構造主義:構造の中で捉える

物事を全体の中の1部として捉える必要があるということのようです。

木を見て森を見ずといいますが、目の前の現象だけにとらわれていては、本質は見えてきません。(中略)全体の中で存在しているのです。その全体は、構造と呼ぶことができます。(P104)

⑨因果関係:原因と結果の関係として見る

これは、哲学的概念というわけではないとのことですが、物事には必ず原因があるということのようです。

原因のない結果はあり得ません。問題となっていることの原因を探ろうとしてみてください。きっと本質が見えてくるはずです。(P108)

⑩人間にとっての意味:人間の存在を前提に考える

これも哲学的概念ではないようです。 物事の本質をつかむといっても、人間にとってということが大前提だということのようです。

例えば地球の環境問題を考えるとき、動植物を中心に考えることはできます。(中略) でも、それは人間が存在することを前提としているのであって、人間以外の動植物のために、人間の生存を犠牲にするという発想はないといえます。あくまで人間が存在することが前提だということです。(P110)

3日目実践

3日目の目標は10個の哲学概念を使えるようになることなので、物事を考える際に10個のいずれかに当てはめて考えてみました。 実際には、朝電車に乗っているときに、この章を読んだのですが、電車をカテゴリーに当てはめて、JR、東京メトロ、小田急、京王と会社ごと分けたあとに、JRなら山手線・中央線・総武線など路線別に分けてみたりしました。

3日目を終えて

この章を読んでから意識せず導き出された答えが、10個のどれに当てはまるのだろうかと後から考えることがありました。自分は今、どうやってこの答えを出したのだろうかと。少し不思議な感覚です。 実際、この10個を使えるようになったとは言えません。しかし、進んで行くしかないのでこの10個を意識して日常を過ごしてみたいと思います。

<図解>7日間で突然頭がよくなる本

<図解>7日間で突然頭がよくなる本