自分が勝手に思い込んだ前提条件によって考えを狭めてしまうことに気づかせてくれた一冊
物事を考えるときに、自分が勝手に思い込んだ前提条件によってその考えを狭めてしまっていることに気づかせてくれた一冊を紹介します。
20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義
- 作者: ティナ・シーリグ,Tina Seelig,高遠裕子
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2010/03/10
- メディア: ハードカバー
- 購入: 475人 クリック: 17,353回
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この本もかなり売れた本だと思うので、読んだことがある方も多いかもしれません。
いま、手元に5ドルあります。二時間でできるだけ増やせと言われたら、みなさんはどうしますか?
これは、著者がスタンフォード大学で実際に学生に出した課題です。
この課題に対して著者は次のように述べています。
たいてい「ラスベガスに行く」とか、「宝くじを買う」と言う人が出てきます。(中略)次によくあるのは、五ドルで道具や材料を揃えて、「洗車サービスをする」、あるいは「レモネード・スタンドを開く」といった答えです。二時間のあいだに、使ったお金よりも多少儲けようという人にとっては、それもいいでしょう。(P10)
私もこの課題を出されたら、同じようなことを考えたと思います。
この課題で考えなければいけないもっとも重要なことは
”5ドルを増やす”
だと私は考えるからです。
しかし、スタンフォード大学の多くの学生たちは違いました。
どうしたかというと、5ドルは無いものと考え、お金を使わないで稼ぐことをしたのです。
実際には
行列のできるレストランで席を予約し、予約の時間が近づくと行列に並んでいる人にその席を売る
自転車の空気圧を無料で調べて、必要なら1ドルで空気を入れる
などが紹介されていました。
私は、5ドルを増やす=5ドルを使わなければならないと思い込み考えを狭めてしまったのです。
そうです、勝手に思い込んで前提条件を作ってしまっていたのです。
本書を読んでからは、何かを考えなければならないとき、今自分は勝手に思い込んだ前提条件によって考えを狭めてしまっていないか?と自分に問うようになりました。
さいごに
この課題の結果を、後日学生の前で発表することになっていたのですが、この課題に対して一番多くのお金を稼いだグループが何をしたかというと、
クラスの学生を採用したいと考えている会社に、その発表の時間を買ってもらい、会社のコマーシャルを上映したようです。
たしかに、優秀な学生がたくさんいる大学で会社のコマーシャルを上映できるなら、高く買ってくれる会社がありそうですね。
そのグループは、”5ドル”や”2時間”という条件に考えを狭めてしまうことなく、何がもっとも重要なポイントなのかを考えることができたのだと思います。
20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義
- 作者: ティナ・シーリグ,Tina Seelig,高遠裕子
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
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