とうすけろぐ

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「どこでも通用する人」に変わるリクルートの口ぐせ

 

 「自ら機会を創り出し機会によって自らを変えよ」

これは、リクルート創業者の江副浩正さんが社長当時の社訓だそうです。

 

「どこでも通用する人」に変わるリクルートの口ぐせ

「どこでも通用する人」に変わるリクルートの口ぐせ

 

 
本書は、1985年リクルート入社組のメンバー(すでにほぼ卒業(退社)している)が、リクルート在籍時に同僚・先輩・上司に言われた口ぐせとその口ぐせにまつわるストーリーをまとめた本です。

 

リクルート出身と聞くと、高学歴でかつバリバリ働いて、起業したりフリーになったりしているスーパーマンみたいな人たちというイメージがあります。ですので本書を手に取ってみたものの平凡なサラリーマンの私に参考になることなんてあるのだろうかと思っていたのですが、本書はそういうスーパーマンたちが書いた本ではないとのことです。

本書は、よく書籍に登場する「スター選手」のものではなく、「普通のリクルートの卒業生たち」が学んだことを整理している。

たしかに、大きい会社ですから特別な人たちだけでなく普通の人だってたくさんいますよね。


本書は32の口ぐせからなっていますが、中でも共感した口ぐせについて書いてみようと思います。

リクルートの口ぐせ05『有言不実行でいい』

言ったことはやる有言実行がいいと思うのが一般的だと思いますが、リクルートではできなくてもいいから発信することが大事だとされているようです。
この章のストーリーを書かれた中村さんは新人時代に営業として働いていたころ上司に次のように言われたようです。

『そもそもおまえらの業績なんかあてにしとらん。期待はしているけど、あてにはしない。新人の数字をあてにするような落ちぶれたチームやないからな。そんなことより、おまえらには感じたことをそのまま言ってもらいたいんや。
俺らには、もう当たり前になってわからなんことがある。そこで、おかしいなとか、もっとこんなことができるとか気付けるのは新人や。
おまえが言うたら、周りも気付ける。それができるかどうかなんかどうでもええ。おまえができなくても周りの先輩ができればいい。それがチームってもんやろ』

たしかに、同じ仕事を続けていると、その仕事のコツみたいなのをつかんでしまって、ある程度のレベルの仕事がこなせてしまうので問題点に気づかないなんてことはよくあることだと思います。
ある程度のレベルの仕事はチームとしてできているのだから新人の仕事はあてにしない、しかし問題点に気づくのは新人なのだから"わからなくても""できなくても"とにかく発言しろということなのでしょう。
とてもおもしろいなと思う反面、新人に、できもしないことを言われたときに、よく言ってくれたと接することができるかどうかと思ってしまう器の小さい自分がいることに気づきました。

リクルートの口ぐせ13『ライバルは強くしなさい。』

「私が言われたのは、社内のライバルを強くしなさい、ということでした。社内という狭い世界で物事を考えるのではなく、社会全体の中で自分の価値を上げることに主眼を置けということなんです。社内のライバルが弱ければ、おのずと自分の仕事の努力や工夫のレベルも下がる。それでは社会の中での自分の価値を上げることなんてとてもできません」

自分が一番の環境はやはり気持ちのいいものだと思います。しかし狭い世界で一番でいたいからという理由でライバルの成長を助けない人はそんなにいないかもしれません。どちらかというと、あえて自分の知識やノウハウを教えてライバルに成長してもらおうとまでは思わないという人が大半ではないでしょうか。でもそれでは自分が成長できないということなんですね。

リクルートの口ぐせ21『やりたいようにやれ。やり方は任せるよ。』

リクルートは、意外にスモールステップを用意することがうまいんです。一見、無茶ぶりで突き放しているように見えても、実は、ちゃんと相手を見て、相手に合わせ仕事の振り方をしていました。
何も考えずに投げっ放しでメンバーにやらせて、あとは知らないという先輩や上司はまずいなかった。だからこそ、初めてのことでもチャレンジしやすかったんだと思います。
もちろん、中には相手によって『彼・彼女には丸投げして大きな失敗も経験させたほうがいい』というケースもありますが、いずれにしても人を見ていないようでちゃんと見ているのがリクルートの特徴でしょうね」

世の中には1から10まで指示してくれないとという人も多いのではないでしょうか。
私は、やりたいようにやらせてもらいたいと思うので、こんな先輩や上司と働きたいなと思いますが、完全に丸投げだなと感じる場合には腹が立ちますね。
”丸投げ”と”任せる”の違いが何なのか?
それは仕事を振る人と振られる人との信頼関係なのかなと私は思います。
上記のケースのように、あえて丸投げする場合もあると思います。それを振られた側があえてなんだと感じられるかどうか。日々のつきあい方による信頼関係によって振られる側の感じ方が変わるのではないかと思います。

リクルートの口ぐせ22『分相応の罪に陥っていないか?』

リクルートには『新入社員七つの大罪』というものがあるらしく、その一番目に『分相応の罪』というものがあるようです。

「私は新人だから」「課長の分際でこれ以上は」というように、人は往々にして自分を枠にはめたがる。そうすることによって、やらないことの言い訳ができるからだ。
しかしリクルートでは、むしろ勇み足で上司から叱られるぐらいのほうが成長できる。
(中略)
『分相応の罪』は、一番目に挙げられているように、リクルートでは絶対的な罪。なぜなら、新人だろうと、どんな立場・役職だろうと、お客さんに対しては、リクルートに期待されるもの以上の価値を提供して当たり前だからです。
自分で枠を持った瞬間、その人はその枠以上のことをしなくなり、成長が止まる。
それではお客さんの期待を上回る価値提供なんてできなくなります。」

でしゃばることを良しとしない日本文化。しかし仕事ではでしゃばった方がいいということになるのでしょうか。
先輩や上司がやるだろうとやらない言い訳をしたことは誰にでもあると思います。私も何度となくそういった言い訳をしてきました。ぐさっと胸に刺ささる「口ぐせ」でした。

リクルートの口ぐせ25『理屈じゃない。』 

「むしろ新人である後輩のほうが、先にいろんな問題にぶつかって失敗から学ぶことも多いわけです。それを先輩が逆に教えてもらうこともよくありました。動きながら考え、身に付いたノウハウは立場に関係なくフラットに教え合える。そんな関係だからこそ、無茶に思えることも理屈じゃなくやれたと思います。」

これは私もとても共感できます。「失敗は成功のもと」とはいいますが、自分一人で失敗できる仕事の数や規模には限りがあります。チームのみんなの失敗を共有することで何倍も成功(成長)できることにつながると思います。

 

感想

上に書いた口ぐせ以外にもおもしろいなと思う「口ぐせ」がたくさんありました。中には自分には合わないな、共感できないなというものもありましたが、それは人それぞれと思います。きっとどんな人にも一つくらいは心に響く口ぐせがあると思うので探してみてはいかがでしょうか。
本書はページ数は207ページ、各ページの文字も大きく、1時間もあれば読み終わると思います。内容も各口ぐせ毎にストーリーが載っておりとても読みやいので新入社員や若手にもおすすめです。

 

最後に、リクルート出身の藤原和博さんの本も紹介しておきます。

リクルート卒業後、中学校の校長先生を務めたりしているので「スター選手」になるのですかね。

本を読む人だけが手にするもの

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※このブログはポメラで下書きしたものを加工してUPしています。

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